ランドセルは誰が買う?父方・母方の祖父母と両親の割合|購入を円満に決める方法と注意点を解説

展示会で祖父母と一緒にランドセルを選ぶ家族

小学校の入学準備で、最初に迷うのが「ランドセルは誰が買うか」——つまり、誰がお金を出すのか、です。夫の実家が「うちで用意するよ」と言ってくれている。でも、自分の両親も孫の入学を心待ちにしている。父方と母方、どちらにお願いすれば角が立たないだろう。そんなふうに悩んでいませんか。

決まったルールがないことは、みなさんご存じのとおりです。気になるのは、「ふつうはこちらの家が出すもの」といった世間の暗黙の相場があるかどうか。じつは、それもありません。祖父母が入学祝いにランドセルを贈る家庭も、両親が自分たちで用意する家庭も、どちらもあります。この記事では、祖父母と両親どちらがお金を出すことが多いのかを調査で押さえたうえで、両家から申し出が重なったときにどう決めるかを、断り方の言い回しまで具体的にお話しします。

ランドセルは誰が買うのが一般的?|祖父母が買う割合と、購入を決める人

お金を出すのは祖父母、という家庭が多数派です。ランドセル工業会の調査では、購入費用を祖父母が出した家庭が、2018年以降毎年5割を超えています(2026年は父方・母方を合わせて52.4%)。孫への入学祝いにランドセルを贈るのは、昔から続くかたちです。一方で、ランドセルのお金を両親が自分たちで出した家庭も44.2%あります。祖父母にお願いするのが決まり、というわけではありません。

購入が5月の連休や夏休みに山をつくる理由の一つも、ここにあります。孫に会える帰省のタイミングに合わせて、祖父母が用意する。当社の展示会でも、連休や帰省の時期になると、久しぶりに孫に会えた祖父母が、ご家族と一緒に来場される。そんな光景が目に見えて増えます。

ところが、同じ調査にはもうひとつ、見落とせない数字があります。「そのランドセルを決めた人」を聞くと、いちばん多いのは子ども本人。その割合は8割を超えました(2026年は84.0%)。

つまり、お金を出すのは祖父母、選ぶのは子ども本人。調査そのものが「誰がお金を出したか」と「誰が決めたか」を別々の質問として聞いています。お金を出す人と選ぶ人は、はじめから別に数えられている。この前提を頭の隅に置いておくと、両家の調整はぐっと楽になります。

お金を出すのは祖父母が52.4%で最多、一方どのランドセルにするかを決めるのは子ども本人が84.0%で最多であることを示す対比図

父方・母方どちらの祖父母が買う?両家から申し出があった場合の決め方とケース別の対処

ランドセルのお金の話で相談が多いのが、「父方・母方、どちらにお願いするか」という問題です。

そもそも、「父方が先」といった作法はありません。先ほどの調査では、お金を出した祖父母は父方と母方でほぼ半々に分かれています(2026年は父方27.9%・母方24.5%)。2018年は母方のほうが多く、年によって多い方は入れ替わります。どちらにお願いしても、失礼にはあたりません。

では、どちらに頼むか。決め手は家庭ごとにさまざまですが、迷ったら「先に声をかけてくれた方」にお願いすると角が立ちません。「先に声をかけてもらったので」と、もう一方にもそのまま伝えられるからです。近くに住んでいて一緒にランドセルを選びに行ける方、前回のお祝いで出番がなかった方、という決め方をされるご家庭もあります。

そのうえで、両家からランドセル購入の申し出が重なった場合の答えは、どちらかを断ることではありません。役割を分けることです。決めるのは「ランドセルをどちらにお願いするか」だけ。もう一方に伝えるのは断りではなく、別のお願いになります。このケースは、当社の展示会でも毎年のようにご相談を受けます。よくあるのは、片方の祖父母がランドセルを、もう片方が学習机を引き受けるかたち。両家から少しずつ出し合い、足りない分を両親が補う。そうやって全員が何かしら関われば、断られたと感じる人がいなくなります。

伝え方のこつは、「先約」と「別の役割」を同時に出すことです。「もう決まったので結構です」だけでは、相手には出番がなくなったとだけ伝わります。二つをセットにすると、相手にも出番が残ります。

ランドセルを義理のご両親にお願いすると決めたなら、断りを入れる相手はご自身のお母さまです。

「ランドセルね、夫の両親が先に声をかけてくれて、そっちにお願いすることにしたの。そのかわり、机のほうをお願いできないかな。入学式の写真、たくさん撮って送るから」

逆に、ご自身のご両親にお願いすると決めたなら、伝える相手はお義母さまです。

「うちの母がずっと楽しみにしていたみたいで、先に声をかけてくれたんです。それで、お義母さんには机のほうをお願いできたらと思っていて。入学式にはみんなで写真を撮りましょうね」

お義母さまへは、実のお子さんにあたるご主人から伝えてもらうと、角が立ちにくくなります。「そうしたらうまくいった」という声を、ご相談のなかでもよく耳にします。

金額に差が出るときは、「机と文具ひとそろいを」と、もう片方に品を足してそろえます。両家の祖父母どちらにも「うちのほうが少ない」と感じさせない、穏やかな方法です。両家が出し合った金額がランドセルの価格を上回るなら、残りを他の入学準備にまわすご家庭もあります。

学習机を置けない家庭なら、通学に使うものでも構いません。上履き入れや文具ひとそろい、入学式の記念写真、卒園祝いの食事会。「入学にまつわる何か」をお願いすれば、祖父母の気持ちは十分に伝わります。展示会でご相談を受けるかぎりでは、これで収まるご家庭がほとんどです。

両家ともランドセルを譲らないときは、次の機会を先に約束します。現場でよくあるのは、どちらかが「じゃあ次の子のときに」と譲ってくださるかたち。上のお子さんのランドセルは父方、下のお子さんは母方、と順番を決めておけば、今回譲る側にも出番が残ります。ごきょうだいの予定がないご家庭なら、同じ日に両家をお誘いして、費用は半分ずつという形もあります。

お願いするときは、候補を二つか三つに絞ってから。展示会でお子さんがランドセルを背負った写真を送る、あるいはカタログをそのまま渡す。そのうえで「これを買おうと思うんですが、よろしくお願いします」と伝える流れが多いようです。金額をあらためて口に出す必要はありません。カタログを見ればわかります。

先に候補を絞ることは、予防にもなります。お金を出してもらうこと自体を心苦しく思う保護者は、じつはそれほど多くありません。気が重いのは、「このメーカーのこの色にしなさい」と決められてしまうことのほうです。候補を先に見せてしまえば、口を出す余地がそもそも生まれません。祖父母が色やデザインまで決めたがりそうなら、「本人に選ばせたいので」と一言そえておく。出してもらうのはお金、選ぶのは本人。この線さえ最初に引いてあれば、祖父母は気持ちよく見守ってくださいます。

気をつかっているのは、お互いさまです。いまの祖父母は、孫にも、その親であるご自身のお子さんにも、嫌われたくないと思っています。「うちで買うよ」と言いながら、どこまで口を出していいものか、内心では測りかねている。だからこちらから候補を絞って「これでお願いします」と差し出すことは、祖父母にとってもありがたい合図になります。

そもそも、なぜ祖父母は申し出てくれるのか。お金を出したいからではありません。孫の入学に関わりたい、という思いからです。「孫のものなら、何か一つは関わりたくてね」。会場でよく聞く言葉です。この気持ちが「関わりたい」という希望だとわかっていれば、金額の話に持ち込まず、祖父母の意見を否定せずに、別のかたちで受け止められます。

最後に、できれば早めのひと声を。年長さんの春には話が動き始めます。その前に両家へ「そろそろ考え始めるね」と伝えておくと、申し出が重なる前に分担を決めておけます(購入時期は「ランドセルはいつ買う」でくわしく解説しています)。

誰が買うべきかより、誰が選ぶか|両親も納得できるランドセルの決め方

じつは「誰が選ぶか」には、はっきりした歴史があります。昔は、お金を出す祖父母が選ぶものまで決めていました。それが両親に移り、つい最近までは母親が選ぶ時代が続きました。そして現在、選ぶのは子ども本人です。工業会の調査でも、ランドセルを決めたのが本人という家庭は2018年の74.5%から2026年の84.0%へ、9年連続で増え続けています。母親が決めた家庭は同じ期間に15.9%から10.0%へ減りました。

だから、お金の話が両親と祖父母のあいだでまとまったら、あとはお子さんに、欲しいランドセルを選ばせてあげましょう。選んだ一台を背負って小学校の6年間を過ごすのは、お子さん自身だからです。

自分で選んだ一台を、子どもは大切にします。展示会では、何台ものランドセルを背負い比べていた子が、ある一台を背負った瞬間に「これがいい」と決める場面によく出会います。「あれだけ迷っていたのに、背負った瞬間に本人の中で決まったみたいでした」。そうおっしゃる保護者もいます。自分の好みで選んだ子は、多少の傷がついても「自分で選んだから」と、最後まで相棒として使い切ります。誰がお金を出したかで気をつかった時間も、6年後には「みんなが関わってくれた入学」という記憶に変わります。大人の役目は、楽しく学校に通うためのその一台を、本人が選ぶ手伝いをすることです。

祖父母と一緒に選ぶ|家族で決めるランドセル選びの方法を解説

両家の分担が決まったら、次は実際のランドセルを見に行く番です。できれば、お金を出してくださる祖父母もお誘いしてみてください。

ランドセルのお金を渡すだけなら、振り込みひとつで済みます。それでも祖父母が会場まで足を運ぶのは、選ぶ時間を孫と一緒に過ごすこと、それ自体が喜びだからです。送金だけでは、この喜びは孫と共有できません。

展示会で祖父母と一緒にランドセルを選ぶ家族。子どもが背負ったランドセルを祖父母が笑顔で見ている様子

孫が鏡の前で何台ものランドセルを背負い、うれしそうに「これ」と指さす。ランドセル選びは、いまや家族そろって出かける行事です。当社の展示会でも、祖父母を含むご家族はおよそ三組に一組。平均45分から1時間、みなさんゆっくり過ごしていかれます。

遠方に住んでいても、一緒に選べます。ランドセルを背負った姿をスマホで撮って送り、「こっちの色のほうが似合うね」とやりとりしながら決めるご家庭は多いです。会場でビデオ通話をつなぎ、画面の向こうのおばあちゃんに向かって、誇らしげにポーズをとってくれるお子さんもいます。

ランドセル選びが楽しかったご家庭は、下のお子さんのときも、また家族そろって来てくださいます。川口のショールームでも「上の子のときもここで選んだので、今回も家族で来ました」という声をよく聞きます。「お兄ちゃんと同じランドセルがいい」というお子さんの想いと、同じ場所で選ばせてあげたいという親御さんの想いが、そこにはあります。

羅羅屋では各地で展示会を開き、カタログもお送りしています。人気の色やデザインは早い時期に決まっていくので、ゆっくり選びたいご家庭ほど、早めに動くと安心です。

祖父母にランドセルを買ってもらう際の注意点|時期・費用・両親の心づかい

最後に、祖父母にランドセルをお願いするときの心づかいをいくつか。

まず、ランドセルの予算は事前に伝えて、承諾をもらっておきましょう。祖父母が考えている金額と、いまのランドセルの相場がずれていることは珍しくありません。お子さんが希望したランドセルが予算を超えたときは、差額を両親が出す。そこまで決めておけば、当日は誰も気まずくならず、安心して選べます。「金額を先に伝えておいたので、当日は気持ちよく決められました」。そんな声も聞きます。

そのうえで、ランドセルを決める時期は、できればゴールデンウィークまで。遅くても年長さんの秋までが目安です。人気のランドセルは早くに品切れることもあるので、早めにめどをつけておくと慌てません。金額の相場が気になる場合も、「ランドセルの値段」に整理しています。

ランドセルを買ってもらったお返しは、基本的に必要ありません。ランドセルをはじめとする入学祝いは、孫の門出を祝う気持ちで贈られるもので、内祝いを求める祖父母はほとんどいません。地域やご家庭のしきたりが気になる場合は、気持ちばかりのお礼を添えると安心です。そのかわり、入学式の写真を送ったり、ランドセル姿で会いに行ったり。孫の晴れ姿そのものが、祖父母にとっていちばんのプレゼントになります。

そして、誰が買っても、家族で選んだランドセルは「みんなからの贈り物」です。お金を出した人が誰であっても、そこは変わりません。お子さんが自分の好みで決め、家族がその選択に立ち会う。そうやって選んだ一台は、6年間、毎朝そばに置きたくなる相棒になります。

ランドセルは誰が買うかのよくある質問

Q. 男の子のランドセルは誰が買うのが一般的ですか?

男の子か女の子かで、買う人が変わることはありません。調査でも、お金を出したのは祖父母が52.4%、両親が44.2%。男女を問わず、どちらのかたちもあります。そして、どちらの場合も決めるのはお子さん本人です。

Q. 祖父母からランドセルを買ってもらう場合の相場はいくらですか?

誰が買っても、ランドセルの価格そのものは変わりません。そのうえで目安を言えば、ランドセル工業会の2026年の調査で、購入金額の平均は62,034円でした。ただし金額よりお子さんの納得を優先したいところです。価格帯のくわしい内訳は「ランドセルの値段」で解説しています。

Q. ランドセルは親が買うべきですか?

「べき」という決まりはありません。ランドセル工業会の2026年の調査では、両親がお金を出した家庭が44.2%、祖父母が出した家庭が52.4%。親が買うのも、ごくふつうのかたちです。

Q. 祖父母から申し出がない場合はどうすればいいですか?

両親が自分たちで用意した家庭は44.2%あります。めずらしいことではないので、こちらからお金の話を切り出す必要はありません。祖父母が入学に関わりたそうであれば、「一緒に選びに行きませんか」とお誘いする形もあります。

Q. 入学祝いにお返しは必要ですか?

一般的に、孫への入学祝いに内祝いは不要とされています。買ってもらったお礼の言葉と、入学式の写真やランドセル姿を見せることで十分です。気になる場合は、お子さんからのお礼の手紙を添えると喜ばれます。

Q. 2人目のランドセルは誰が買うか決まりはありますか?

決まりはありません。上のお子さんを父方の祖父母に買ってもらったからといって、2人目も父方にお願いする必要はありませんし、今度は母方が買わなければいけない、という決まりもありません。その都度、家族で意見を出し合って、お金を出す人を決めれば大丈夫です。

Q. ランドセル以外に祖父母にお願いできる入学準備品は?

学習机や文具、上履き入れなどがあります。ランドセル以外にも選択肢は豊富です。分け合えば、両家とも入学準備に参加できます。

執筆:ララちゃんランドセル編集部